育自de育児 ~育児短時間勤務と育児休暇に挑戦する教員の奮闘記~

育児短時間勤務・育児休暇取得教員、仕事・子育て・副業を目指す小学校教師の挑戦

【学び・書評】「やめること」で変わる世界

【書評】日本人は「やめる練習」がたりていない 野本響子

(いつもより長め。気持ちこもってしまった!)

 

みなさんはやめる勇気ありますか?

あなたにとって、やめること=普通でしょうか。

 

やめることによって見えてくることもあるなぁと実感しています。最近は、やることリストだけではなく、やめることリストなんかもありますね。

 

この本は、同じく日本人学校経験のある先生からのオススメで読みました。

住む場所や関わる人が変われば常識も変わる。マレーシアに移住した筆者が感じた意外な常識。考え方や環境が凝り固まってると感じた本です。日本は「やめる=逃げる、良くない」というイメージがありますよね。

自分も中国で暮らして、日本人と関わればやっぱり日本人の常識の中で生活したし、現地では現地の常識があってすごくおもしろかったし、環境が変わるってすごく良い経験だなって思います。

 

 

実際、私はやめることに抵抗を感じてしまいました。

今でも覚えているのは、中学校の仮入部でバレー部に入ったときでした。

小学校の時に母のママさんバレー練習についていってたので、それなりにできる自信がありました。進学先の中学校のバレー部は県大会で活躍するほどでした。仮入部で分かったことが2つあります。

まずは顧問が変わったようで部活動の雰囲気に熱気を感じませんでした。

もう一つ、同学年の仲間はわずか5人。(バレーは6人制)そして、自分と同じ気持ちでと感じたのはそのうち1人でした。仮入部をして練習にも参加し、入部を強く勧められました。

一度顔を突っ込んでやめていいのか、普通は仮入部したらそのまま入部みたいな雰囲気もありました。でも、私は断りました。そして、強そうで熱意を感じた野球部に入りました。練習は、その当時、地獄かと思うほど、走り、声を出し、ボールをほとんど触らせてもらえませんでした。でも、希望というか信念というか「俺たちは絶対に強くなる!」という気持ちと、同じ気持ちの仲間がいました。そして今、野球部に入ったことは一生の財産になりました。

正解なんかはわかりませんが、自分の意志でやめて、自分で判断して、その結果良かったと思っています。バレー部に入らなかったことは、逃げたみたいに思われたのか、その後もときどき言われることもありました。むしろ、自分で厳しい道を選んだことは、誇りに思います。

大学入試では、行きたかった大学に行けませんでした。受かった大学に進学しましたが、それはそれで自分の人生を大きく帰る出来事になったと思います。あの時第一希望の学校に行っていたらということはわかりませんが、今の選択でよかったと思います。教員採用試験も同じです。地元ではなく、他県を選んだことは自分の視野を広げてくれたと思います。何度も繰り返しますが、正解かどうかはわかりません。でも、自分はそれでよかったと思います。親は、帰ってきたらよかったのにと思っているかもしれないし、また別の人に聞けば違う考えかもしれません。そんなものなんだなと思いました。

 

他にやめた経験って、バイトをやめるときと教員になって他県に移るために採用試験を受け直したことくらいでしょうか。その時もドキドキしました。やめるってことに慣れていないし、やめることにマイナスのイメージがあるんだなということですね。

 

マレーシアでは、転校するのも当たり前。部活を1年までしか続けられないっていうきまりがある学校もあるらしい。面白いですよね。でも、今までやったことのないことに挑戦してみることや少し関わっておくと知識や経験が得られて人間性が豊かになりそうだなって気もするし、続けたいなら、続けるための選択というか行動をとればいいわけで。マレーシアの人たちは多様性に富んでいるというか、自分がそうと思ったことが正解であると信じているみたいです。

 

そして、素晴らしいと思ったことが人に常識とか自分の解釈を押し付けたり、比べたり、評価したりしないってこと。これはすごく生きやすくなるなと思いました。

 

うちの子もサッカーを習っていますが、そんなに意欲を感じません。幼稚園の頃は遊びの延長のような感じで楽しかったサッカーだけど、だんだんと本格的に練習といった感じになり、自分よりも上手な子がたくさんいます。気が引けるのもわかるんです。少し前までは、「せっかく続けてきたんだから、他にやりたいことが見つかるまでは体力づくりだと思ってやってみたら?」と言っていましたが、「やめる」選択肢もマイナスじゃないと考えるようになって、「いつやめてもいいよ。自分で決めていいよ。」と話すようになりました。すると、「やっぱり続けてみる」と息子の考えが変わってきたようです。不思議なものですね。今は、本人が行きたいと言えば行くし、休むなら休む。チームやメンバーのことは考えて、中途半端に参加するなとは伝えています。いつでもやめていいという選択肢があると、気が楽になったのかもしれないし、心を遠ざけてみたらやっぱりやろうかなという気持ちが生まれたのかもしれません。今は、サッカー、ドッジボール、水泳と習い事が3つもあって親の方が大変ですが、「短い期間であっても、やってみたいことをやってみる」そんな風に子育てしたいなと思っているから、親も頑張りたいと思います。

 

 

小さいうちから「やめる練習」をしておくことも、粘り強く続けていくこともどちらにも良さはあることを一緒に経験していきたいなと思いました。

大人は「やめる」抵抗感が強いから、自分自身はどちらかというとそっちの方のマインドチェンジをしたいなと思います。